OHOWとは

One Health, One World 連携研究機構

ヒトと動物間で類似した病気は数多く、特に感染症では密接に関わるが、その学問は医学、獣医学、野生動物学、昆虫学、農学、環境学とそれぞれ 独立した学問領域で発展してきた。しかし、特に近年問題となっている重篤な感染症は動物種や国の壁を超えて伝播・流行をもたらしたことから、共 同で研究する必要性が認識されている。また病気の成り立ちは高等ほ乳類で極めて共通性が高く、蓄積される科学的知見の共有は重要との考えが 生じ、トランスレーショナルリサーチ(TR)の観点からも高等ほ乳類のヒト疾患モデルとしての重要性が高まってきた。一方で,そういった病気の成立条件として、大気や水・生態系といった自然環境の状態とそれらの変化は、ヒトと動物の健康に極めて深く関わっている。これらのことから、 感染症を防ぎ、ヒトや家畜、それらを取り巻く生態系の健康を守るための学際的な研究を総合的に発展させることが不可欠との新たな概念として One World, One Healthが生まれ、2004年の国際会議で、WHO、OIE、FAO、世界銀行、UNICEF等によりマンハッタン原則として提唱された。
本学では、2017年度にワンヘルス連携研究機構が設立され、ヒトと動物の共通 感染症と健康を統括的に科学する新たな学術研究拠点を運営してきた。 一方で,医学・獣医学・環境学が別々 に研究しているのでは今後起こりうる新興感染症のリスクに対して不十分であると主張する同宣言の国際的認知が進み、既に欧米では拠点形成や 大学での研究所・学部が設立され、アフリカ諸国等との国際共同研究が推進されているが、日本やアジアにおける拠点整備が遅れている。
こういった背景をもとに、ワンヘルス・ワンワールド連携研究機構の設置目的を以下と設定する。

• ヒトと動物の健康とそれらを取り巻く地球環境を一つの学問領域として統括的に科学する新たな学術研究拠点を形成すること
• アジアにおける当該研究の拠点として、関連する情報の集約や発信をすること
• 当該研究分野にて国内外で活躍する人材を育成すること。

具体的には,1.人獣共通感染症研究 2.陸域生態系のモニタリング/環境リスク疾病負荷計測 3.水循環の予測と感染症影響評価 4.アジアを中心とした国際保健研究/災害と感染症 5.工学と医学の融合研究 6.疾病に関する動物ゲノム解析 7.ヒトと類似する伴侶動物疾病研究 8.野生動物や媒介昆虫の生態および環境変動影響研究 9.伴侶動物を用いた臨床試験研究 10.連携研究機構事務局の運営,を中心に研究を進める.「One World, One Health」の研究をさらに進展させ、ヒト、動物、地球が今後直面するかもしれない様々なリスクを予見し対応し、我が国にお ける関連学術分野を総合的・協調的に発展させるためのアジア圏における拠点形成に努めたい.

今回新たにOHOW事務局を設立するにあたり,旧ICUSが運用してきたアジアネットワークを継承する.国際的なフィールドで多様な研究分野を擁し国際的なフィールドで多様な研究分野を擁し、社会実装に強みを有する生研の機能を強化すべく,まずは,これまで実績のあるタイとバングラデシュに注力し,タイのマヒドン大学熱帯学研究科,スラナリー工科大学,バングラデシュのバングラデュ工科大学,ダッカ大学医学部などと連携したプロジェクトを新たに開始し,人々が豊かで安全に暮らす都市システムを発展的に解釈し,医学・獣医学・環境学と工学が総合的・協調的に展開するためのアジア圏における拠点を形成することを目指す.

2023年度OHOWパネル

2022年パネル